高血圧から原発性肺症に?治療薬プロスタサイクリン

厚生労働省の定める特定疾患治療研究事業対象疾患に指定されている原発性肺症は、心臓の右心室から肺に血液を送る肺動脈の高血圧症状が、心臓と肺の機能に障害をもたらす原因不明の疾患であり、100万人に1人~2人と極めて稀な疾患です。
原発性肺症は、肺へ十分に血液を送れず心拍出量が低下する為に全身への血液の供給が不足し、倦怠感や息切れ、胸痛、失神などの症状が見られます。
病状が進行すると、口唇や爪にチアノーゼが現れたり、関節痛や四肢の末端にレイノー現象などの症状が発現するケースもあります。
原因は不明ですが、原発性肺症患者の約6%に遺伝的要因が見られ、膠原病や肝臓疾患、HIV感染などの合併症として肺高血圧症が発症するケースがあります。
若い女性に患者が多い原発性肺症は、発症後3年以内に死亡するケースも多く、早期発見と適切な治療が必要な疾患ですが、現在ではプロスタサイクリンの効果により治療成績は大幅に向上しています。
血管内皮から微量産生されるプロスタサイクリンは、プロスタグランジンと呼ばれる物質の一つであり、肺循環中に血管内皮細胞内に取り込まれ不活化されるが、肺の血管内で血小板の活性化を抑制し血管が詰まるのを防ぎ、更に血管平滑筋の弛緩作用により肺動脈などの血管を拡張して血流を良くして、肺動脈の高血圧症状を緩和する効果があります。
又、血管平滑筋の増殖抑制作用や虚血障害からの心筋保護作用などの効果があります。
プロスタサイクリンは、体内に入ると数分で分解されるので24時間連続して静注する必要がありますが、現在では携帯型の輸液ポンプによるエポプロステノール(プロスタサイクリン)在宅持続静注療法が健康保険の適応となっています。

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